

RSウイルス感染症
1. RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症は感染⼒が⾮常に強く、1歳までに約50%、2歳までにほぼ全員が感染するといわれている呼吸器感染症です。
国内では2歳未満のRSウイルス感染症で病院を受診する⽅は年間10万⼈にいるとされています。
また、その中で⼊院に⾄るのは約3万⼈となっています。
2. 症状
RSウイルスに感染すると発熱、咳嗽、⿐汁などの症状があり、ほとんどは数⽇以内に回復しますが、⼀部では3~4週間症状が持続することもあります。
⼤⼈や⼤きいお⼦さんであれば、いわゆる「⾵邪」で済むことも多いですが、1歳未満の乳児では喘鳴や低酸素⾎症(体の酸素が⾜りなくなる)を来たしたり、新⽣児~乳児期早期では呼吸を⽌めてしまう「無呼吸発作」を呈することがあり、⼊院を必要とすることがあります。
注意しなければいけないのは以下の症状です
・いつもより呼吸が速い
・肩で呼吸したり、胸〜お腹のところがペコペコした呼吸をする(陥没呼吸)
・息を吐く時に「ヒューヒュー」、「ゼイゼイ」する(喘鳴)
・顔⾊や唇の⾊が悪い
・苦しくて、哺乳ができない
3. 治療
インフルエンザなどと異なり、RSウイルスに対する治療薬はなく、症状をやわらげるための対症療法のみが⽤いられます。
上記のように⼊院が必要になっても、酸素を投与したり、気管⽀拡張剤を使⽤したり、脱⽔であれば点滴をしたりと、症状を緩和する⽅法しかないため、基本的には治るのを待つかたちになります。
そのため、⽇頃の予防(周囲の⼤⼈のマスクや⼿洗い等)や ⺟⼦免疫ワクチン(アブリスボ®)などで感染・重症化予防することが重要になります。
4. 重症化しやすいお⼦さん
下記のお⼦さんは、RSウイルスに感染した際には重症化することが懸念されるため、RSウイルスに対する特異的抗体注射(シナジス®・ベイフォータス®)をうちます。
・在胎期間が28週以下で、12か⽉齢以下の乳幼児
・在胎期間が29~35週で、6か⽉齢以下の乳児
・過去6か⽉以内に気管⽀肺異形成症の治療を受けたことがある、24か⽉齢以下の乳幼児
・24か⽉齢以下の⾎⾏動態に異常のある先天性⼼疾患の乳幼児
・24か⽉齢以下の免疫不全を伴う乳幼児
・24か⽉齢以下のダウン症候群の乳幼児
上記に当てはまるお⼦さんが発熱や咳嗽、⿐汁が⽬⽴つ場合には早めに受診しましょう。
5. 喘息のリスク
海外の研究で、RSウイルス感染症が増悪して⼊院したお⼦さんは、そうでないお⼦さんと⽐較して、その後の喘息の発症率が⾼かったことが指摘されています。
6. 最後に
RSウイルス感染症はいわゆる「⾵邪」のウイルスですが、他のウイルスに⽐べ、1歳未満の乳児やシナジス®・ベイフォータス®適応のあるお⼦さんは注意が必要です。
上記の 注意しなければいけない症状を呈した場合には早めに医療機関の受診をお願いします。