

手足口病とヘルパンギーナ
手足口病とヘルパンギーナについて
これらは主に「エンテロウイルス」というウイルスの仲間が原因で起こる、夏に流行しやすい感染症です。いわゆる「夏かぜ」とよばれる感染症の代表例です。
【 目次 】
1.ヘルパンギーナと手足口病の違い
2.お家でのケアのコツ
3.注意すべき「合併症」のサイン
4.登園・登校の目安
5.知っておきたいポイント
6.Q&A
1.ヘルパンギーナと手足口病の違い
どちらも似ていますが、主な違いは「熱の高さ」と「発疹が出る場所」です。
ヘルパンギーナ
40℃近い高熱が出ることが多く、口の中にのみ強い痛みのある水ぶくれができます。

手足口病
熱は出ないか、あっても38℃前後の比較的軽い発熱で済むことが多いです。口の中だけでなく、手のひら、足の裏、お尻、ひざなどにも水ぶくれのような発疹が出るのが特徴です。


2.お家でのケアのコツ
どちらの病気も特効薬はなく、本人の免疫力で治るのを待つのが基本です。
水分補給が最優先
喉や口の中が痛むため、飲んだり食べたりが難しくなり、脱水症になるリスクがあります。
・冷たくて喉越しの良いもの(ゼリー、プリン、アイスキャンディー、冷たいスープ、牛乳など)を、少量ずつこまめに与えてください。
・酸っぱいもの(オレンジジュースなど)、辛いもの、熱いものは、傷口にしみて痛むため避けましょう。
お薬の活用
痛みが強くて水分が摂れないときは、解熱鎮痛剤を使って痛みを和らげてあげると、その間に水分を摂りやすくなります。

3.注意すべき「合併症」のサイン
稀ですが、髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症を起こすことがあります。以下の症状が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。
・激しい頭痛がある、または何度も嘔吐する
・ぐったりして元気がない、意識がはっきりしない
・水分が摂れず、おしっこが出ていない
・顔色が著しく悪い、呼吸が苦しそう
4.登園・登校の目安
これらのウイルスは、症状が消えた後も2~4週間の長期にわたって便から排出されるため、流行を完全に防ぐのは困難です。
そのため、以下のふたつをクリアしていれば登園可能とされています。
・食事が十分に摂取できていること

※ただし、保育園・幼稚園ごとに決められたルールがあればそれに従ってください。
5.知っておきたいポイント
何度もかかる可能性がある
原因となるウイルスの種類が多いため、別の型によって同じ病気に繰り返し感染することがあります。
治った後の変化
手足口病の場合、治ってから1か月以内に、手の皮がむけたり爪が自然に剥がれたりすることがありますが、通常は心配いりません。
手洗いの徹底
飛沫だけでなく、便からも感染するため、おむつ替えの後の手洗いを徹底することが家族への感染予防に重要です。
6.Q&A
Q.大人も感染することはありますか?
はい、大人も感染することがあります。
原因となるエンテロウイルスには約70種類もの型があり、型が異なれば一生のうちに何度も同じ疾患にかかる可能性があります。そのため、過去に一度かかったことがある大人でも、別の型のウイルスによって感染・発症することがあります。
大人が感染する主なケースとして、看病やオムツ替えなどの際、ウイルスを含んだ唾液や便に触れることによる「接触感染」や「糞口感染」が挙げられます。
家族内での感染を防ぐためには、オムツ替えの後の手洗いなどの衛生管理を徹底することが重要です。
Q.家庭での感染予防策を詳しく知りたい。
最も重要な対策は手洗いの徹底(特に排泄物の処理後)です。お子さんの症状が回復した後も、ウイルスは2~4週間の長期にわたって便から排出され続けるため、本人が元気になった後もしばらくは手洗いの徹底を続ける必要があります。
また、ウイルスは唾液やくしゃみ、あるいは水ぶくれの中身などを介した「飛沫感染」や「接触感染」によっても広がります。看病の際に唾液や鼻水に触れた場合も、速やかに手を洗ってください。
Q.爪が割れたりした場合はどうすればいいですか?
手足口病にかかった後、1か月以内くらいに爪が剥がれたり(爪脱落症)、手足の皮が剥けたりすることがあります。基本的には過度に心配する必要はありません。以下の点に注意して様子を見てください。
新しい爪を待つ:爪が剥がれた下の部分からは、通常新しい爪がゆっくりと生えてきます。無理に剥がそうとせず、自然に生え変わるのを待ちましょう。
清潔に保つ:剥がれた部分を清潔に保ち、深爪のように露出した部分が痛む場合は、絆創膏などで保護してあげてください。
受診を検討する場合:爪が剥がれた場所が赤く腫れて強い痛みがある、膿が出ているなど、細菌感染が疑われるような症状がある場合は、医療機関を受診してください。