アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症について

アデノウイルスは、呼吸器、目、消化器など、体のさまざまな場所に感染症を引き起こすウイルスです。多くの種類(型)があるため、一度かかっても再感染することがあります。
特に夏に流行する「プール熱(咽頭結膜熱)」は、その代表的な疾患です。近年では、夏に限らず一年を通して流行が見られるようになっています。

【 目次 】
1.主な症状
2.感染経路と潜伏期間
3.検査と治療
4.登園・登校の目安
5.予防のポイント
6.Q&A

1.主な症状

アデノウイルスは感染する部位によってさまざまな症状を引き起こします。

プール熱(咽頭結膜熱)

39~40℃の高熱とのどの痛み、目の充血や目ヤニが特徴です。熱は4~7日間ほど上がったり下がったりを繰り返すことがあります。

アデノウイルス咽頭炎

鼻水、咳、のどの痛みなど風邪のような症状のほか、肺炎や気管支炎を起こすこともあります。

胃腸炎

乳児に多く、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐が見られます。

はやり目(流行性角結膜炎)

目の強い充血や目ヤニが出ますが、高熱は出ないことが多いです。

出血性膀胱炎

ウイルスの型によっては排尿時の痛みや、血尿がみられることがあります。

2.感染経路と潜伏期間

感染経路

咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、ウイルスが付いた手指、タオル、食器、プールの水などを介した「接触感染」があります。

潜伏期間

ウイルスが体に入ってから発症するまで、通常は5~7日程度(型によっては2~14日)かかります。

3.検査と治療

検査

のどを綿棒でこすりとる検査が可能です。

治療

アデノウイルスに直接効く特効薬はありません。ご自身の免疫力で治るのを待つ対症療法(熱を抑える、水分を補給するなど)が基本となります。

ご家庭でのケア

のどの痛みで食事が摂りにくい場合は、水分補給(経口補水液など)をこまめに行い、安静に過ごしましょう。

 

4.登園・登校の目安

プール熱(咽頭結膜熱)は学校保健安全法で定められた「学校感染症」です。 「発熱、のどの痛み、結膜炎などの主要症状が消えてから2日間経過するまで」は出席停止となります。

※熱やのどの症状のみで「プール熱」と診断されない場合は、全身状態が良ければ登園・登校が可能になるケースもあります。

5.予防のポイント

アデノウイルスは非常に感染力が強いため、ご家族への二次感染を防ぐことが重要です。

手洗いの徹底

流水と石鹸による丁寧な手洗いを行いましょう。

タオルの共有禁止

顔を拭くタオルやバスタオルは家族で別にしてください。

大人の感染に注意

お子さんから大人へうつるケースも多いため、看病の際は手指消毒を徹底しましょう。

6.Q&A

 

Q.体調が悪いときにおすすめの食べ物や飲み物ありますか?
A.

喉が痛くて食事が摂りにくい時は、のどへの刺激が少なく、水分をしっかり補給できるものを選ぶことが大切です。
 
おすすめの飲み物
脱水を防ぐために、経口補水液などでこまめに水分を摂ることが強く推奨されています。
・経口補水液:水分と電解質を効率よく補給できます。
・その他:冷たいスープ、牛乳など。
 
おすすめの食べ物
のどの痛みが強い時は、のどごしが良く、冷たくてさっぱりしたものが食べやすいでしょう。
・ヨーグルト:柔らかく、フルーツなどを添えると栄養も摂りやすくなります。
・アイス(アイスバー):冷たさがのどの痛みを一時的に和らげてくれます。
・ゼリー・プリンなど:のどに負担をかけずに食べられるものが適しています。
 
摂り方のポイント
・こまめな補給:のどが痛いと一度にたくさん飲むのがつらいため、少量ずつ回数を分けて水分を摂るようにしましょう。
もし、のどの痛みがあまりに強く、水分すら全く受け付けないような場合は、脱水の恐れがあるため早めに医療機関を受診してください。

Q.すぐに受診しなければいけない目安は?
A.

・高熱が続いている:アデノウイルスによる発熱は39~40℃の高熱になることがあり、通常4~5日間(あるいは7日ほど)持続します。高熱時は体内の水分が失われやすいため、補給ができないと急激に脱水が進みます。
・胃腸炎症状がある:下痢や嘔吐を伴う場合は、体内から失われる水分量がさらに増えるため、より早期の受診が推奨されます。
・経口補水液が飲めない:脱水予防に推奨される経口補水液などでの水分補給が全くできない場合。
・全身状態の悪化:ぐったりしている、尿の量が極端に少ないなど、全身状態が改善しない場合。

Q.家庭内のケアについて詳しく教えてください。
A.

アデノウイルスは非常に感染力が強く、お子さんが園や学校で感染して家庭内に持ち込み、家族全員に広がってしまうケースが少なくありません。家庭内感染を防ぐために、以下のポイントを徹底しましょう。
 
1.手洗いの徹底(最も重要です)
感染予防の基本は手洗いです。
外出後、トイレの後、食事の前後は特に、流水と石鹸を使って十分に手を洗いましょう。
 
2.タオルや食器を共有しない
ウイルスは、感染した人のくしゃみ、咳などの飛沫だけでなく、唾液、鼻汁、涙、便などにも含まれています。
・タオルの使い分け:顔を拭くタオルやバスタオルを家族で共有するのは避けましょう。
・食器・食品の共有禁止:同じ皿の料理をつついたり、コップの回し飲みをしたりしないようにしてください。
 
3.排泄物や分泌物の扱いに注意
アデノウイルスは便からも排出されるため、おむつ替えの後は特に念入りな手洗いが必要です。また、目ヤニ(涙)などを拭いたティッシュ等も適切に処理し、その後は必ず手を消毒しましょう。
 
4.大人の方も油断は禁物です
アデノウイルスは大人にも感染し、子供と同様の症状を引き起こします。看病をする保護者の方は、ご自身が感染源にならないよう、また感染しないよう、こまめな手指消毒と手洗いを徹底してください。